この日曜日、電車とバスを乗り継いで遠出する。
同じ日、二男の学校では体育祭が催されるが、我が家において運動会の占める位置は大きくない。
子が出場するラグビーの試合などを観戦してしまうと誰もがそうなる。
運動会に感慨覚えるようなことがなくなってしまう。
第一、最高の見せ場が箱根山体操となれば、その洗礼を受ける中1のときに見れば十分だ。
あとは高3のときに見納めれば、これで十二分の完結となる。
先日、田中内科クリニック5周年のお祝いの二次会で、世界的ダンサーでもあるモニカ先生が踊った。
二の手を継ぐ形で、年若い後輩が箱根山体操を踊らされていたが、前者の躍動を見た後であれば尚更、まるで太極拳を見るかのごとくのスローな舞いに一同、一気に酔いが覚めるというようなものであった。
今後、アップテンポに改変するなどの工夫が必要だと誰もが感じたはずであった。
そもそも箱根山体操の学内での役割に焦点を当てれば、あの出し物は内輪だけのお披露目に限るものとし門外不出とすべきであろうとの意見が出てもおかしくない。
絶望的なまでにもっさいジャージを着用し、あり得ないような姿態を晒す。
つまりその本質は、ある種のもってまわった「可愛がり」であり、その意味は内的コードでしか読み解きようがない。
外部の者からすれば、異様な光景であるという以外の捉え方は困難であろう。
互いの立場を共感し合うような連帯感のうちに生まれる高揚と心のうちの躍動は、その系譜に連なるものでしか実感できないと言えるだろう。
わたしは箱根山体操を熟知している。
だからこの日曜日、母校へとは向かわず家内と立命館大学の滋賀キャンパスへと向かう。
そこで全国フラッグフット大会の前哨戦が行われる。
長男の学年が精鋭チームを結成した。
いずれも部活のエース級。
野球部にサッカー部にバスケ部にテニス部。
それらの主軸がタッグを組んで大会に挑む。
相手は社会人や大学生。
困難な試合になることは避けられないが、チカラ合わせて食らいつけば勝機を見出すことも不可能ではないだろう。
試験2週間前なのに練習に明け暮れ、ようやくチームが一体となってきた。
そのガッツとチャレンジ精神にエールを送りたい。
今回結成されたユニットが伝説となるくらいの奮闘を期待したい。
生涯褪せることのない鉄の結束誕生の瞬間をしかとこの目で見届けるつもりだ。