KORANIKATARU

子らに語る時々日記

ブレイス法律事務所「問題社員対策セミナー」に参加してきた


野田阪神に停まらない電車があるなど知らなかった。
発車寸前に駆け込んだ電車は梅田を発ってぐんぐん加速し中途の駅をことごとく通過していった。

5時には事務所に戻る、その目論見は脆くも崩れ去った。

かつて、天王寺で乗って八尾で降りるつもりが突っ走る大和路快速の為すがまま王寺駅まで運ばれたことがあった。
もちろんアポには遅れた。
最近、鶴橋で乗って八尾で降りるつもりが大阪線急行がひた走って最果ての地、河内国分まで流されてしまったこともあった。
当然、約束の時間に間に合わなかった。

それら苦い失態を思い返しつつ、刻々と過ぎる時間に焦燥を覚える。
車内は虎キチで混み合っている。
タイガース談議に花が咲き、マートンがいればなあと誰かがぼやき、その一角はマートン恋しやという色に染まった。

マートン、マートンとの声に聞き飽きた頃、ようやく電車が減速し停車した。
まさかの尼崎。

いざ甲子園とさらに押し寄せる虎キチをかき分け、駆け足でわたしは反対側のホームへと急ぐ。

が、引き返す者のためにダイヤは組まれていない。
わたしは走り、そして大阪へ向かって発車したばかりの電車を間近で見送った。


予定外の尼崎往復となって時間にして半時間ほどロスしたが、それを差し引いても収穫大の週末金曜であった。

この日午後、グランフロントにて渡邉直貴弁護士のセミナーが開かれた。
5冊目の著書となる「ブラック企業VS問題社員」の出版を記念しての催しであった。

氏が所長を務めるブレイス法律事務所の「Brace」という一語に仕事への思いと志しが凝縮されている渡邉弁護士であるが、その能力はすでに知れ渡っているとおり超一級である。

つい先日もわたしはその力を頼りにし問題解決を図っていただいたばかりであった。

誰にとってもそうであるが問題の当事者となった際には、用心するに越したことはない。
私情が入るなどして、どうしてもバイアスが避けられない。

たとえ僅かでも恐怖があったり悔恨があったり怒りがあったり根拠のない楽観があったりすると、初動を誤ってしまって問題は解決できず、将来に向かって更に事態を悪化させるということになりかねない。

そのような際、頼れる外部頭脳が身近にあれば僥倖。
渡邉弁護士など最強の外部頭脳と言えるだろう。

頑丈であって緻密明晰な頭脳、かつ情もある。
法律家として優秀であって、問題解決者としてこれほど頼りにできる存在はない。

今回のセミナーは事業主を対象に問題社員をテーマにその対策を詳述するものであった。
著書同様、話が平明で分かりやすくなるよう随所に工夫が凝らされていて感心させられた。
学ぶこと多々あったなか持ち帰り残業の労働時間性の話は切り口鋭く特に印象に残った。

また著書を読むだけでなく、実際に話を聞くことの重要性も知った。
裁判実務に照らした場合、言葉のニュアンスが変わることがあるのだという。
一般人が解釈する原則や特段という言葉の日常性が、裁判においては様変わりする。

こういったこと一つを挙げても面と向かって話を聞かねば知ることはできなかったであろう。


共著者として出席されていた社労士の堀下先生がセミナーの締めを飾った。

さすが陸の王者、慶応である。
オシャレな雰囲気で、その饒舌が明瞭であって爽やか。

渡邉弁護士を評して言う、とにかく、強い。
特に労働問題に対峙するパワーで渡邉弁護士の右に出る者はないだろう。
こんな強い弁護士が寄り添うようにサポートしてくれるのだから、これはもう心丈夫で感謝に堪えない。

渡邉氏と堀下氏。
この両者、カラーは違えど揃って花に実もある名コンビ。
信頼寄せられ人が集まるのも頷ける。

絶対に敵に回したくない相手と言えるだろう。

わたしについては腹に身。
自身を見直すとてもいい機会になった。

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