KORANIKATARU

子らに語る時々日記

最良のものが積み重なっていく

同居人がブログをはじめてから三ヶ月が経過した。
内容面白く好評を博している。
本人も結構楽しんでいるようだ。

ささやかであれ自身を表現する場があることは、内面にも好作用をもたらすものであるようだ。

これまでは記憶の渦のなか、ただ消え去っていくだけだったものが文章という姿形を伴ってそこに留まる。
単に留まるのではなく、パンの耳のような部分は濾過されて、最良のものが積み重なっていく。

不思議なことだがブログを書くことで内面の何かが発動し、世界の良き部分、他者の良き部分、自身の良き部分への着眼が促される。
これまでは見過ごされていた美点にスポットライトがあたるのであるから、周囲の景色が様変わりするとさえ言えるかもしれない。

日常が色鮮やかになって立体感が増し、尽きせぬ発見があり学びがあり感性には磨きがかかって、様々なことを感受し表現できること自体が喜びとなっていく。

書けば書くほど好循環になって、質感確かな幸福感が奥深いところで息づいて、だから、表情もハツラツ、活力に満ちてくる。

それに加えて振り返ったとき、そこには自身の足跡が確かな形で残っていて、これまでの来し方について手応えのようなものを感じるであろうし、自負心のようなものさえ覚えるかもしれない。

まさに良いことだらけ。

そのブログがきっかけで、最近、交友にある方々のブログも目にするようになった。
それでつくづくブログの世界は女性が席捲しているのだと知ることになった。
そして、女性的な良き部分がライブで立ち現れるかのよう、チャーミングでアトラクティブなブログが数多くあることにも気付かされた。

おまけに実用性にも富んでいる。
これまでは非言語的な世界で息を潜めていた女性ならではの技術や知識や知恵や発想や感性や情感といったものが形を得て、ネット空間にいきいきとした姿を現し始めたと言えるだろう。

それら有用なアウトプットが集積していけば、後進の女性らにとって参照欠かせない巨大なデータベースとなっていくことも容易に想像がつく。

どんな場所からでも人は花を咲かせることができる。
ブログの背景に垣間見えるそのような女性パワーに敬意の念を覚える。

他者に課されたルーティンのなか青息吐息の男子らにとっても見倣うべきところ大であろう。