男同士で飲んだときのこと。
お酒もまわって互い伴侶を選んだ理由について話し合うことになった。
このところめっきりお酒に弱くなり、その場で繰り広げられた会話の大半は忘却の彼方。
が、ひとつだけクッキリ残った。
「この人はどこでも大丈夫、どこでも生きていける」。
その確信が決め手になった、という話である。
最重要なことがこのワンフレーズに端的に集約されている。
だから酩酊するわたしの脳裡にも刻まれた。
所帯を持つのだから遊び半分な話とはほど遠く、伊達や酔狂で相手を選べるようなものではない。
何よりも先、一緒に生きていく、という観点が大元に来なければならない。
芯が強く肝が据わって地に足ついた人でなければならず、それであって更に気立てよく愛嬌あって人の気持ちの分かるような人であれば、盤石だ。
惑わされてはならないが、ルックスなんて単なる包み紙。
暮らしの実質に何ら影響するものではない。
決め手が定まれば極めてシンプル。
「この人はどこでも大丈夫、どこでも生きていける」となれば生涯連れ添うことを決断し、その正反対「この人はどこまでもわがまま自分勝手、どこまでも堪え性なく見栄っ張り」となれば未練なく嫌気投げするのが身のためだろう。
他愛ない話が過半を占める飲みの場であってもときに珠玉の言葉に出合うことがある。
せっかくなので日記に残す。
君たちが最愛の人を探す際、この言葉がサーチライトの役目を果たすに違いない。