KORANIKATARU

子らに語る時々日記

楽しんでしまえば何とかなる

いつもとは様子が異なる。
会議後の懇親会はごく少人数、膝突き合わせての会食となる雲行きだ。

重鎮格の国会議員をはじめ錚々たる顔ぶれ。
そこに混ざって盃交わすなど、あんただれや?というようなものであり、気詰まりであり気後れ感じる。

そう素早く察知してか、気安く話せそうな若手陣も一人、二人と席を立つものだから、気詰まり模様が倍加していく。

急用が生じたことにしてわたしも場を辞すことにしよう。
どこかで一杯、ひとり気ままにやる方が土曜夜の過ごし方として適している。

そう判断し帰途に寄る飲み屋について頭巡らせるが、子らの顔が浮かんですぐに思い直した。
思春期みたいに自意識過剰な人見知りをしている場合ではない。

何がどうあれそこに座って滞空すれば、すごすご帰ったのでは得られない学びがあるはずであり、ここで逃げては男がすたる。

若手が帰ってしまってもわたしはここに残って楽しもう。
そう腹を決めた。

会食の場へ移動となって案の定、前も横も重鎮方々鎮座する場にわたしは座することになった。

が、案ずるより産むが易し。
名刺交換し乾杯すれば、ホイッスルが鳴ったようなもの。

話題というボールがひとりでに現れ、ピッチのなかを行き来しはじめる。
それを追ううち興が乗り、二週間ぶり口にしたお酒も手伝って、会話弾んでとても楽しく和やかな場となった。

顔出してほんとうに良かった。
有益な教えを受け、驚かされるような話も数々伺うことができた。

楽しんでしまえば、何とかなる。
そう学んだ一夜となった。