仕事を終えジムに寄る。
たっぷり走った後、マシンを渡り歩いてカラダの各所パーツをバーストさせた。
なんて素晴らしいひとときなのだろう。
ジムの手狭なシャワーは使わず近所の銭湯の広々とした湯船に身をひたす。
カラダをたっぷり動かした後は特に、湯上がりの爽快感といったらない。
石鹸のいい匂いをまとって事務所に戻る。
この香りはどんなアロマにも勝る。
昼に食べ損ねた家内手製のエビチリチャーハンを夕飯にする。
時間となって市内へとクルマを走らせ、ヨガのトレーニングを終えた家内をピックアップした。
そのまま家へと向かうそのとき、二男から返信があった。
ちょうど向こうはお昼どき。
気温17℃、涼しい。
メシはまずい。
イタリア人の友だちができた。
日本人はいない。
これからクラブ。
クラブはドイツ人が多い、じゃあ。
こっちは忙しいんだよと言わんばかり、男子特有の簡潔手短な応答である。
午前中は座学で勉強し、午後はみっちりクラブ活動に充てられる。
侍が刀を帯同するみたいに、彼も日本から手に馴染んだ道具一式を持ち込んでいる。
こなせるスポーツがあるのはいいことだ。
それが共通言語となって、異国でのコミュニケーションを円滑なものにしてくれる。
夜は夜で行事が目白押し。
とてもではないが遠く残した親とラインでやりとりする暇はない。
短い文面からその充実ぶりが窺えて、親はそれで十分満足だ。
その証拠、家内は二男の短いメッセージを何度も読み返している。
帰宅する。
長男が模試の結果を携えわたしの部屋を訪れた。
親として結果に寸評を加えるが、志望校判定にあるどの学校を選ぶのであっても好きにすればよく横槍入れるつもりはない。
そんなことはとどのつまり二の次三の次のこと。
大事なのは学び深めることの中身であって、その結実としての人物そのもの。
上っ面の勉強だけで花が咲くほど世は単純ではなく、大人になればルールが変わってテストの点など鼻も引っ掛けられなくなる。
会えて良かった、いろいろありがとう。
仲間にそう思われるような男子に育ってくれること。
それだけを親は願っている。