様々な連絡手段のうちGmailはわたしにとって主要幹線のようなものである。
だからそれが不通になると情報が遮断されたも同然となる。
Yahooメールは届くがGmailは音信不通。
お盆の頃合いなのでわたしに向け発信されたメールは閑散としたものに違いない。
実害はないとは思うものの気が気でないような心地悪さは断ち切れない。
この週末、二男は二泊三日でのオックスフォード旅行に出かけている。
LINEの通知で彼が数々の写真をわたしに送ってくれているのが分かる。
が、内容を確認することは一切できない。
現地スタッフらがするFacebookやInstagramやTwitterやYouTubeも見ることができないので間接的にも二男の様子が分からない。
いま二男と疎遠になっている。
食べ物、気候、街の匂い、聞こえてくる言葉、人が発する雰囲気だけでなく情報環境まで一変した。
異郷感が色濃く、旅行としては趣き深いが上記した情報ツールにどっぷり漬かっていればいるほど、空白感のようなものを感じることになる。
情報統制という意図だけでなく、西欧列強の向こうを張ろうとするアジア大国の矜恃と戦略の表れであると言えるのかもしれない。
この国には十数億の民がいて、その縄張りに国外の巨大IT企業を立ち入れさせない。
それで自ずと中国独自のSNSツールが発達することになる。
いまや空気のように当たり前に存在し世界を覆い尽くすFacebookやYouTubeやInstagramやTwitterやLINEに伍するカウンターパワーを独自で生成させようとの深謀遠慮あってのことであろうから、さすが五千年続く大国、並外れた知略家揃いの国なのであろうと一目置くくらいの視点はあっていいのだろう。
やることなすこと理解不能と侮っていると知略家らにとっては赤子の手みたいな存在に見えてくるはずである。