KORANIKATARU

子らに語る時々日記

余技を磨いて余生に備える

中国では男60歳、女50歳が定年だという。
男女とも寿命が60歳そこそこだった頃に設定された定年年齢なので、平均寿命が70歳を軽く超えるいま、実情に合わなくなってきている。
そこで男女とも定年を65歳に引き上げるような法改正が検討されているそうだ。

日本だと、われわれの年代なら男性85歳、女性95歳まで生きるのが普通だろうと言われている。
定年65歳だとすれば、天寿全うするまでに余す時間は結構長い。

当分先のこととは言え、わたしたち33期メンバーもそのうち65歳になる。
容易に想像つくが、その歳になっても誰もが健在、脂乗り切ってまだまだ大活躍中に違いない。

とてもではないが、隠居などしてられない。
もしその歳で仕事という活躍の場を奪われるのだとしたら、長い長い余生、何をして過ごせばいいのか途方に暮れる。

長く培ったものに見合う仕事がなく、内に蓄えられたエネルギーを無為に放電し続け朽ち果てるのだとしたらその喪失感と虚無感は凄まじいものだろう。

仕事という芯があってこそ、しゃんと背筋伸ばして胸張って生きられる。

そう思えば引退の時期を誰かに決められるなどお節介にもほどがあり、そう強いられるのだとすればその不条理に背筋が凍る。

幾つになっても、ささやかであれ有用な者でありたい。
人間誰しもそう望む。

そのためにも、いま取り組む仕事だけでなく、他に幾つも余技を磨いて老後に備えなければならないだろう。

やることがまだまだあって、時間もたっぷりある。
そう思えば、余生の視界がぐっと大きく開いて心も弾む。

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息子からの写真