爽やかな秋の朝、すでにキャパオーバーとなっていた書棚の本を一気に整理することにした。
子らの顔を浮かべつつ残す本と処分する本に分別していく。
彼らの人としての輪郭もある程度分かってきたが、血を分けても人格は別。
わたしが面白いと思ったからといって彼らにとっても面白いとは限らない。
将来に渡って関心惹かないであろう本を無為に山ほど溜め込んでいるのも無駄なこと。
この際、一気に吐き出すことにした。
全書籍の半分は処分することを目標にしたが、やはり愛着あって6割ほどは今回の選別をくぐり抜け本棚に留め置かれることになった。
へえとかふうんとか、読んで感心、その内容を知ること自体が楽しいという傑作ばかり。
おまけにタメにもなるから精鋭だ。
いつかどこかで子らの実用に足りることになるはずで、そんな場面を思うだけで父親冥利に尽きるというものである。
かつての稚魚たちは思い思いの日曜日を過ごす。
わたしは家内と秋の深みある青のなか、ぶらり回遊してくることにする。
さてそろそろ出かけよう。