午後になってにわか風が強まり寒さが増した。
奈良の冷え込みは大阪を上回る。
予定よりも早い時間に着き駅のロータリーに立つが、じっとしていると凍えそうだ。
家内を待たず学校まで歩くことにした。
ちょうどいい具合、20分ほどの距離を歩いてカラダもほどよく暖まり時間もつぶれた。
この日は上の息子の三者面談。
二階の面談会場にあがると幾組もの夫婦連れを見かけた。
子の教育について熱心な様子が窺える。
まもなく家内が現れた。
定刻、担任の先生に導かれて席につく。
勉強に取り組む姿勢や意欲、その成果など学業について詳細な説明を受け、学校生活の様子についても細かな話をうかがえた。
先生が非常に熱心であり意欲的。
いつも同様、夫婦して頭が下がる。
情が深く思いやりあってかつ厳しい、そんな先生がいて、助け合う仲間がいて、こここそが息子にとって最も恩恵大な成長の場なのだと身をもって感じることができた。
なんていい学校なのだろう。
それにとてもいい先生に恵まれた。
かねてよりそう確信していたが、その確信が更に強固になった。
引き続いて、息子が面談の場に招き入れられた。
受け答えする様子に頼もしさが増してきた。
この男の今後が見もの。
その横顔を覗き込みつつ一人の男としてそう思った。
家内の運転で帰途につく。
家内はいたって上機嫌。
わたしは助手席に座ってのりのりの二万語に耳傾けることになった。
西宮北口で買物し、ついで下の息子が電車で読むためのマンガをどっさりまとめて買い込んだ。
行き帰りのときくらい息抜きがあってもいいだろう。
冬休みのはずが午前中は学校で演習があって午後は部活。
そのあと天王寺での夜勉を終えて帰ってくる。
やはり息抜きが必要だ。
夫婦ふたりで家内手製のほかほかおでんをつつき、組み合わせは少し変だがシャンパンを開けた。
味がしみてとても美味しくお酒もすすむ。
家に逞しい光が二つ。
ちびっ子当時の思い出話からまだ見ぬ未来へと話題は広がり、毎夜毎夜が大河ドラマのようになる。
ボトルが一本空いて、これからも力を合わせ地道静かに暮らしていこうと意見が一致した。