大晦日の午後、ジムに人影はない。
雲間から差す西陽を受けながら、静かゆっくり走る。
たっぷり汗をかき、風呂に入ってすっきり爽快。
一年のみそぎを終えた。
夕刻、実家に向かう。
携える酒は福寿。
紅白が始まるにはまだ早い時間。
父母とわたしの三人で食卓を囲んだ。
テーマは、人生の風雪。
親が老境にあればどんな話題を取り上げてもそういった趣きの話になる。
例年通り、大阪環状線を使って自宅に戻る。
明けて早朝。
近所の神社で手を合わせその足で朝5時ジャストの電車に乗って事務所に向かった。
正月ダイヤの特別列車である。
事務所に着くなり、すべての窓を開け放った。
新春の風が吹き込み、室内に満ちる。
新旧の空気が入れ替わる間、地元の神社に足を運んだ。
頭を下げ、じっと黙って手を合わせた。
さあいよいよ。
新しい一年が始まった。