KORANIKATARU

子らに語る時々日記

膝つき合わせ腹割って話す

待ち合わせ場所はヨドバシカメラ東側。

道路をはさんで見えるスギ薬局が目印だ。

 

わたしが着いてすぐ長男の姿が見えた。

スギ薬局に向いて信号を渡ろうとする息子に駆け寄り引き止める。

 

月曜夕刻の梅田は街へ繰り出す人出と家へ引き上げる人出が合わさってごった返している。

 

息子と連れ立って二人、梅田を歩く。

なんだか不思議だ。

 

ちょっと東に足を向ければかつて家内が受付をしていた会社があって、ちょくちょく梅田で待ち合わせた。

結婚する前のことであり、当時、息子はまだその姿形をあわらにしていなかった。

 

いつの間にかわたしたちの暮らしに合流してきて、見る間に育った。

 

横並びになって歩く二人は左が親父で右がこせがれ。

切っても切れない仲である。

やはり不思議だ。

 

用事は一時間ほどで片付き、じゃあ飯でも食べて帰ろうとなった。

 

店のチョイスは息子に任せ、わたしは後をついていく。

向かった先は焼肉食べ放題の店。

 

中年だと気が引けるような若者仕様の店である。

息子の連れになったような気がして、その雰囲気が新鮮に思えた。

 

どんどこ肉を頼んで焼いていく。

膝つき合わせ同じ網で焼いて食うからだろう、腹を割った話となる。

 

彼はウーロン茶でわたしはノンアルコールビール。

向かい合うのは男同士。

和やかだが真剣。

酔いのつけ入る隙はない。

 

これでもかという以上に彼は食べる。

 

つられてわたしも多少は食べて、ますます若い男同士といった様相となっていく。

学生時代に友人らと過ごした時間の感触がよみがえる。

 

制限時間の2時間が過ぎて退散。

会計すると二人で1万円足らず。

これでこの満腹感。

更にまた若返った。

 

息子が歩く方についていく。

遠回りだとわたしは指摘するが、これが一番近道だと彼は言い張る。

 

「梅田は庭も同然」

息子はそう言い梅田を訪れた回数を誇るが、その数でわたしが劣るはずがない。

 

芝田から南へ下ればすぐ大阪駅なのに、東へと迂回し阪急三番街を抜けたので、絵に描いたような遠回りルートをたどることになった。

 

寒空のもと幾組ものパフォーマーが熱唱しているのを見かけた。

さすがに梅田、レベルが高い。

信号待ちの際、懐かしのナンバーに長男とともに聴き入った。

 

今回は梅田。

この先、場所を変え季節を変え、あちこちで飯を食い、腹を割ることになるのだろう。

 

そんな想像を巡らせると楽しい。

長生きするのが正しい、といった風に思えてくる。

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Nadya Ploschenko, (Kharkiv, Ukraine) "Talking Face to Face", 2013.