天気予報は雨。
それでも中止になるなど考えもしない。
時間どおり夕刻6時前に待ち合わせし、球場に入った。
カネちゃんと甲子園で野球見るのは何度目だろう。
まもなく天六いんちょも合流となった。
阪神ファンではあるが、このところの野球事情には疎い。
天六いんちょとカネちゃんがタイガース愛をほとばしらせて応援するのと異なり、わたしについては、プロ野球の文脈などにはとらわれず、ただ純粋、図抜けて優れた運動神経を観賞するといった話に近い。
一昔前いたようなずんぐりむっくり体型などどこにも見当たらず、すべての選手が太く大きく強靭で端正かつ豪快な体つきをしている。
浜風吹き渡るグランドが隅々まで美しく照明に照らされ、ゆっさゆっさそんな怪人まがいが動き回っているのを目にするだけでも、心が晴れる。
投げるボールはおそろしく速く、ときおりは鋭く曲がり、それを捉えて打ち返すなど怪人レベルの話であり、地を這って跳ねるボールをグローブに着実収める卓越の技量もこれまた怪人級。
そんな様子に目を奪われて、ビール飲む、というのは幸福なことである。
心配された雨は数滴しか降らず、この日、タイガースは玄人好みの手堅い試合運びで快勝した。
それでカネちゃんと天六いんちょを自宅に招き、祝勝会と相成った。
おかげで、今朝は軽く二日酔い。
朝一番、五苓散買うため薬局に寄らねばならなかった。