仕事後、ジムに寄る。
日ハム戦を画面に見ながら懐メロを聴いて走る。
風呂には入らず汗だけ流して帰途についた。
自宅にクルマを寄せて家内を迎える。
約束の時間のはずなのに待てど暮らせど出てこない。
明日の弁当の支度にかかって手が離せないという。
パスタが茹で上がるまで待たねばならなかった。
時間にして10分ほど。
助手席に家内を乗せて向かうは熊野の郷。
誰かのアンチエイジングの話題となって、それなら芦屋の阿部レディースクリニックに任せておけば大丈夫だろうとわたしは話した。
まもなく熊野の郷。
夜10時であるから人もまばら。
湯の香りを味わいつつゆったりジャグジーにつかって静かに過ごす。
湯に飽きれば水風呂に頭から飛び込み熱を冷ましまた湯に入る。
照明はほの暗くあたり一帯静まり返っている。
心身再生させるのにもってこいという景色のなか、わたしの独り言に吹き出しつけるなら記載される文字は、ああ幸せ、となるだろう。
湯を上がり待合でしばらくぼんやりしていると家内が現れた。
行きと帰りでは空気が異なる。
行きのバタバタ感は影を潜め、帰りは呼吸もゆったり言葉も少な目。
双方の吹き出しには、ああ幸せ、の文字だけが印字されている。
自宅に戻って子らと言葉を交わす。
二男は学校の遠足で神戸に赴いた。
楽しかったそうである。
長男からはわたしが先日あげた万年筆の話。
書き味抜群ということだった。
そうかそうかと話を聞くだけで一日の終わりに心満たされ、この日はことのほか深い眠りに導かれた。