昼過ぎにタコちゃんのところを後にし、実家に顔を出すがゆっくりもしていられない。
おかんがくれたオロナミンCをカバンに忍ばせ事務所に戻った。
電話業務を数本こなしている間に夕刻。
いまにも雨が降りそうな空模様である。
ビニール傘を手に長堀橋に向かった。
オ・セイリュウの待合室に座って5分。
姜昌勲先生が現れた。
店員に個室席へと案内される。
文字通り差し向かい。
ゆったり落ち着いて料理を楽しみ、近況について話し合う。
思えば出会いは阪神受験に通う小6の頃。
玉造駅のホームに立って饒舌にしゃべる姜少年の面影はいまもわたしのなか鮮明だ。
先日、千歳空港で狭間研至氏と偶然出合ったそうだね、そう姜先生に話を向ける。
北海道で狭間研至氏と偶然出合ったのは2回目で前回は一緒にラーメンを食べ、今回はファイで2時間も話し込んだという。
そのときに33期の話になったそうである。
互い33期だから当然そうなる。
そしてつくづく思ったのだという。
33期は皆いい人柄の者ばかりだが、かといって人類皆がそうだとは限らない。
だから33期的な性善説で世の荒波に漕ぎ出すのは無防備に過ぎるだろう。
なるほどとわたしも納得する。
たとえば、この日話題に出た石本くんやヘグリ。
思い出すだけで気持ちが和む。
彼らの人の良さにじんときてそれが33期では当たり前。
しかし世界がすべて石本やヘグリで構成されているわけではない。
33期は特殊な安全地帯。
穏やか温暖な南の島のようなイメージに引き続きそこで楽しげ語らう皆の顔が浮かんだ。
この夜、オ・セイリュウの一角も南の島となっていた。
今度奈良界隈の者らが集まって33期の飲み会が催されるという。
奈良に出現する南の島。
もちろんわたしも参加する。