家内とともに帰宅する。
テレビでも見ていたのだろう。
二男がソファに腰掛けていたので横に座ってひととき話した。
外国人に人気だという国内の観光スポットがテレビで紹介されていたそうだ。
そのほとんどが訪れたことのある地であり、記憶をたどって懐かしさに浸ったという。
物心ついたときからテーマパークの類に一切興味を示さない息子たちであった。
だから出かけるとなれば自ずと史跡や名勝をたずねて回ることになった。
塵も積もればというとおり、月日経つうち結構な数の名所に出向くことになった。
関西という地の利も大きかった。
これはと着目すべき地の大半が思い出の場所ということになった。
旅した場所はすべてが第二の故郷。
思い入れの深い地が各地にあって、どこにいようが付かず離れず、その地とともにあることになる。
子に残すコレクションとして、これほど値打ちあるものはないだろう。
そう自画自賛したくなる。
わたしが仕事で忙しいときも、あれも見せようこれも見せようとあちこち連れて出かけた家内に感謝である。
この先、子らは一人勝手に旅する年代に入っていく。
まもなく子離れ。
親は親で好き勝手、ほっつき歩くことになる。

