朝から休みなく煩雑な思考を要する書類作成が続き精も根も尽き果てた夕刻、向かうは福島。
ヘトヘトに草臥れたようなとき、元気あふれる友だちが欠かせない。
福島駅に着いたとき、ちょうど小雨が降り始めた。
シブの会社は駅から目と鼻の先なので傘は不要。
飲み会まで間があったので、そこで小一時間ほど過ごすことにした。
シブの近況を聞き、いま彼が手がける仕事を見せてもらう。
わたしが身を置く地味な日常とは何もかもが全く別次元のパノラマ世界。
シブの活躍ぶりにおお、とか、ああ、とか原始人レベルでわたしは感嘆するばかりであった。
だから神経ほぐれ凝り固まったような疲労が一気にやわらいだ。
疲れたときには、広い場所で遠くを見るのが効果的。
シブと接して、まさにそれと同じ効果が得られたのだった。
待ち合わせは午後8時。
場所は沖縄料理の名店『がじゅまる食堂』。
真ん中にシブこと澁谷祥一。
そのシブを田中新二、姜昌勲、大浅田寛、狭間研至が囲んだ。
魚も肉も絶品でお酒も美味しく、シブのトークが炸裂し皆もその炸裂度合いに共鳴していくものだから破天荒な話題の絶えない賑やか楽しい場になった。
わたしは隣に座ってその光景を鑑賞し、パワーのおこぼれに与って元気になった。
お開きの時間には雨は本降りになろうとしていた。
気持ちよく濡れ、駅までシブと歩いて別れた。

