知らぬうち気疲れなどあったのだろう、思った以上に心身困憊の一週間となった。
金曜午後、京都での仕事が完了し終業。
肩の荷降りて自由の身。
雨模様の夕刻、心晴れてぶらり帰途についた。
乗り換えの際、京阪モールに立ち寄り日本酒を買い求めた。
週末に親父と飲むのは聚楽第。
京阪であればどこであれお酒の品揃いよく収穫に恵まれる。
帰り支度整え、ゆっくりジムで走って前傾姿勢でこわばった心身をニュートラルに戻していく。
家内が勧めてくれたBlackPinkをYoutubeで流す。
ボイスに色あってサウンドが鮮烈、ダンスも洗練されているので走るお伴にうってつけと言えた。
この夜43号線に渋滞はなく快適なドライブとなった。
家に着きクルマを停めたときには、ちょっとした感慨を覚えた。
一週間を無事に過ごせた喜びがいつにも増して大きかった。
夕飯の支度は既に整っていた。
サラダやチーズや生ハムにトリュフオイルを振りかけて味わい、ワインを飲む。
家内の話に耳傾けるが、学校の用事があった日は話題豊富で内容濃厚、だから当然に面白い。
そのうち二男が戻ってきて、長男も帰宅した。
金曜夜には独特の安らぎがある。
オンからオフへと切り替わろうとする汽水域のような時間帯。
一段落ついたという収束感で緊張ゆるみ心がふんわり円みを取り戻していく。
家族皆が上機嫌で食事が美味しく、リビングに行き交う言葉を耳にするだけで心地いい。
各自が各自の一週間を過ごし終え、家族が顔を揃えて平穏に過ごす。
当たり前のことであるようで、いつか振り返ってみたときには稀少と分かる。
だから、この一場面がいつまでも心に残るよう目に焼き付けた。
本当ならその光景を写真にとって待受画面にでもしたいところであったが、カメラ向けた瞬間に平穏がたちまち撤収となるのは明らかだったので、このように日記に書いて代用としている。