朝5時には目を覚まし、作り置きのベーグルサンドを3つ平らげ下の息子は始発で学校に向かった。
まもなく上の息子も目を覚ました。
家内が朝食を支度する。
納豆に目玉焼き、岩手名産とろろ味噌汁、メインのおかずはピーマンの肉詰。
口の肥えた彼は注文をつけた。
ピーマンの肉詰めの上にチーズを乗せて温め直してほしい。
ご飯をお代わりし、更になしとぶどうをデザートに食べ、元気よく彼も出かけていった。
子らを送り出し、わたしたちも家を出る。
行き先はお墓。
秋好天の日、霊園は結構な人出であった。
二人で手分けし墓石を水で流し草をむしり、お供えを置いて線香をあげた。
そこにはいついつまでも語られるべき祖父母が眠る。
手を合わせその面影を思い感謝の念を伝えた。
墓参りを終え次に向かうは下の息子の学校。
そこを会場に大阪の主だったチームが集まって総当たりの対抗戦が繰り広げられていた。
校舎南側にほどよい観戦スポットがありそこにクルマを停めてグランドを覗き込んだ。
ちょうど前半戦が終わったところだった。
後半に出番はないようだったので、中座し食事に出かけることにした。
何を食べようかと思い巡らせ、うなぎの舟屋が頭に浮かんだ。
ここから近くクルマで10分ほど。
やはり名店。
開店前なのにすでに列ができていた。
待つこと40分。
ようやくテーブルに案内された。
わたしはうな重、家内はひつまぶしを選んだ。
二人で分けて食べるが、どちらにも息を呑んだ。
その焼き目にしばらく見入って見惚れてしまうほどにうまかった。
問い合わせの電話に対応する店員の声が耳に入る。
いま2時間待ちです。
この美味にありつくためなら2時間は許容範囲であるように思えた。
ゆっくり味わって腹ごしらえを終え、わたしたちは学校に戻った。
なんとか間に合い下の息子がグランドを駆ける姿を目にすることができた。
わたしたちは柵に張り付くようにし二男の動きを目で追った。
今朝お参りしたばかりだからだろう。
わたしの祖父母もそこで観戦しているかのような気持ちになった。
今日この日のメインイベントは二男の試合。
わたしたちが行く舟屋にはついて来ず、おそくらずっとここで笑顔満面、曾孫の活躍に声援送っていたに違いない。