日曜日には何の予定もなかった。
だから土曜夜、その解放感で気持ち高ぶった。
明日、何も用事がない。
白紙の爽快を噛み締めた。
そして白紙の日曜があっという間に過ぎ去って、特に何かをした訳ではないからそこに残ったのは無であった。
前にすれば心華やぐのに、後ろから振り返ると寂寥感が拭えない。
休みという非日常に何かを期待し、しかしそれは足早に走り去っただけで気づいたときには変数だらけで複雑な日常の時間が舞い戻っている。
土曜夜と日曜夜。
マウンドから投じられた期待感が、目にも止まらぬ速さでミットに吸い込まれ、バットにかすりもしない。
何も予定がないとバットを構える間もなくそういうことになってしまう。
狙い玉を絞り、休みが投球動作に入ると同時にテイクバックを始め白球から目を離さない。
そうしないと楽しいはずの休日を文字通り棒に振ることになってしまう。
これは虚しい。