木曜夕刻、7人の若い事業主に囲まれた。
話に熱が入り想定していた1時間ではとても足りず、決めるべき事項の目鼻は整ったにも関わらずエンドレスなミーティングとなる雲行きとなった。
家内との待ち合わせ時間が迫る。
状況判断に迷う。
途中、彼らのうち何人かが喫煙休憩に入った。
15分経っても戻ってこない。
このアドバンテージを活かさない手はない。
切り上げるにはおあつらえ向きで、これ幸い。
一切気がとがめることなく、急用が入ったのでと告げその場を後にした。
地下に降りると泉の広場。
何が珍しいのか記念撮影する人が後を絶たない。
物好きな集団を訝しんで通り過ぎた。
家内との食事を終え帰宅し、夕刊一面を見て合点がいった。
昭和45年から現在に至るまで。
不動の待ち合わせ場所として名を馳せた泉の広場の噴水がいよいよ撤去されるのだという。
なるほど、名残惜しんでの人だかりだったのだ。
そしてこの日もいつもと同様に過ぎ去って、夜が明けた。
朝の5時。
家内が食事の支度をはじめた。
息子が部活朝練のため早くに出かける。
朝食を作り、弁当をこさえなければならない。
何年にも渡って手を抜かないから見上げたものだ。
たけのこご飯が炊きあがり、息子はまず一膳食べ、春だねと言ってお代わりを所望した。
ついでに焼きそばパンまで平らげるのであるから、朝から元気なことこの上ない。
泉の広場の噴水はわたしたちと同年代。
こちらは撤去などまだ当分先の話。
たんたんと時を刻んで憩いの場として末永く存続していく予定である。

