時間制限を設けると勢いがつく。
1時間で片付けて終われば自由。
そう決め仕事に取り掛かるが気づけば午前10時。
結局4時間かかったことになる。
が、昼前に仕留められれば御の字というのが本心であったから上出来。
これで世間が享受する日曜の安穏に合流できる。
さて、手始めにと長男にマンガを送ることにする。
朝日新聞のマンガ書評を参照しつつ、『魔法はつづく』と『LOST DRIVE』の2冊を選んだ。
何であれ引き出しは多い方がよく、話題のマンガであれば無駄になることはないだろう。
アマゾンで注文した途端のこと。
なんと奇遇な。
珍しく長男から電話が入った。
南側の窓から日曜の陽光がさんさんと降り注ぎ、仕事も終えてストレスゼロ。
こんなとき、遠く離れた息子とさして用もなく雑談することほど嬉しいことはない。
東大五月祭前夜の金曜、中高の友人らが日吉に集まり一緒に飯を食ったという。
東大生に慶應生、関西から阪医の友だちも参加した。
大学でもたくさん友だちができたが、やはり中高の友だちが気心知れて一番いい。
6月には大学の友人らとちょっとした旅に出る。
中高の友だちも凄い奴ばっかりだったが大学の友人もかなりのレベル。
凄いやつが掃いて捨てるほどいて、凄まじい。
そうか、そうかとわたしは黙って話に耳を傾ける。
辺境に住む未開人が先進国の夢物語みたいな話に惚けて何度も頷くようなもの。
昔馴染みからも新しい友人からも四方八方からいい刺激を受けていることが分かって、親としてその充実がただただ嬉しい。
そんな喜びの余韻にひたりつつ、バックストリート・ボーイズのミュージックビデオに合わせ過ぎ去りし日々を懐かしみながら溌剌走って、たっぷり汗をかいたあとで湯船につかった。
明るい光にやわらか包まれ湯船は神域と化し、鼻歌も聖歌となって身も心も洗い清められた。
あとは帰って飲むだけ。
なんて素晴らしい日曜だろう。
クルマを走らせ帰宅する。
家事全般をやり終えてひとり祝杯をあげていると二男が帰ってきた。
電話をもらった喜びを思い出し、祖父母に電話するよう彼を促した。
会話する様子を横目に見ながら飲むビールがうまい。
それで長男にもメールを送り、祖父母に電話するよう伝えた。
この日曜夕刻、うちの父と母は二人のエースの声を揃って聞けたことになる。
その胸のうちを想像するだけでわたしはますます嬉しくなった。
ちょっと声を聞くだけでめっぽう嬉しい。
そんな電話が世に存在するのである。
だから、用事がなくても構わない。
そんなことはまったく問題ではない。
声が聞けるだけで嬉しいのだから折りに触れ電話をするべきで、この場合の電話は100%間違いなく善行となる。