KORANIKATARU

子らに語る時々日記

年齢を3で割ると時間が分かる

家内が長男のための肉を焼く間、わたしは武庫川を走った。

 

空は分厚い雲に覆われ、大荒れの天気を予兆するかのように冷たい風がときおり強く地を舞った。

 

川の水や樹木の匂いが撹拌されて走る分には爽快であったが、雨が降り出した場合には激しくなるに違いなく一抹の不安を傍らにしてのジョギングとなった。

 

幸い雨に祟られることなく無事に所定の距離を完走できた。

家に戻ってシャワーを浴び、家内を助手席に乗せて出発。

 

まずは最寄りのゆうゆう窓口から長男あてに荷物を発送した。

 

ドクター・オクトパスにもらったステーキをセンターにその脇を各種焼肉が固め、とうもろこしが添えられ、その他、家内が買い揃えたTシャツ数枚、そこに二男が読み終えた「亜人」と「進撃の巨人」の最新刊が投入された。

 

郵便局を後にして、高木町のヒロコーヒーに寄ってここで一休み。

 

それぞれダブルのコーヒーを頼み、サラダは分け、トーストとハムエッグトーストはわたしがほぼすべてを平らげた。

 

子ども談義に花を咲かせ約2時間。

話し疲れて、続いての行き先は西宮北口の大型コインランドリー。

クルマを入口の真ん前につけ毛布5枚を洗濯にかけ、終わるまでに買物を済ませようとその足でアクタのコープに向かった。

 

食材をあれこれ吟味したっぷり買い込みちょうど1時間。

コインランドリーに取って返すが、このとき視界塞ぐほどの大雨が降り始めた。

雨に毛布が濡れぬよう夫婦でリレーしてクルマに運び入れ、これでは外出もままならないと観念し家へと戻った。

 

食材を冷蔵庫に入れ毛布を片付けていると、いましがたまで降り続いていた雨が急に止み、晴れ間が見えて、たちまちのうち夏日となった。

 

これで予定変更。

昼は外で食べようとなって、候補として芦屋の土山人、住吉のレイユームン、野田阪神の鯖とか烏賊とか真とかが挙がった。

 

先ごろ、新メニューに加わった「泳ぎイカ定食」への関心が勝り、クルマは一路野田阪神を目指すことになった。

 

結局ここらを訪れると、中央卸売市場が近くて魚介が充実しているので買物して帰ることになる。

腹ごしらえを終えて、まずは川繁でうなぎを買い求めた。

一昔前なら一尾2500円程度であったがいまは3300円。

うなぎの高騰は止まらない。

 

次いで商店街で刺し身盛り合わせも買い求め、これで夕飯のメニューが出揃った。

 

そして昼を過ぎたばかりのこの時点で用事が終わり、手付かず白紙の時間が残された。

 

年齢を3で割ると、それが人生の時間帯を指し示す。

うちの子らなど朝5時から6時であるからちょうど夜明け時。

わたしたちについてはまだ日中と言えた。

昼は過ぎたが、暮れるのは当分先といった時間帯である。

 

さあ、これからどうしよう。

 

人生の時間帯と同様、この後どこへ行こうか何をしようか、楽しい思案を巡らせてクルマを神戸方面へと走らせた。

もちろん流す音楽は連投された息子の新曲であった。

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Yasujiro Ozu, Tokyo Story (1953)