待ち合わせは17:55西宮北口駅着の普通電車。
わたしは自宅から歩いて向かった。
前線通過後、寒気が上空に吹き込んだからだろうか、蒸し暑さ和らぎ風が冷涼で心地いい。
まもなく西宮北口駅というところ。
流れる音楽がDark ModelのClose to Infinityとなり、ホームで電車を待つ瞬間、同じくDark ModelのSAGAとなった。
夙川を出た電車がホームに入ってきた。
イヤホンを外し指示通りわたしは後ろから2両目に乗り込んだ。
が、家内の姿はない。
そのときメッセージが入った。
塚口駅のホームで待つ。
家内は三宮を出て、一本早い電車で先に目的地に到着していたのだった。
まるで犯人に誘導されるようにして18:03、塚口駅のホームにてようやく家内との合流がかなった。
向かうはピザの名店、大衆イタリア食堂アレグロ。
この日午後、神戸ポートピアホテルにて慶應家族地域連絡会が催されていた。
それに出席してきたところだったから家内の話題は慶應に占められた。
神戸だからと身構えたが、ごくごくシンプルな身なりの方ばかりであったことに驚いたという。
学校の行事だと皆さん心得ていて、展覧過多な装いは慎むのが世の良識であるから当然だろう。
関西にもたくさんの三田会があって活動が盛ん。
世界に八百あるというからつまりは無数にあって、クリスチャンが教会に通うようなものであるから盛んなのも当然だろう。
そんな当たり前だのクラッカー的な会話を交わしつつ、ワインを飲みアレグロの料理を楽しんだ。
値段を気にせず注文できるイタリアンであるが、味は格別。
つまりは屈指の名店と言えた。
チーズを食べ生ハムを食べチキンを食べステーキを食べオムレツを食べピザを食べパスタも食べて大満足の大満腹。
そして二男へのおみやげは絶品のピザ。
温泉卵を投下して、これが彼の朝食になる。
巨大な1枚であるが、平気で1枚半は平らげる二男であるから腹八分目、朝の始動にちょうどいい分量であった。
帰りは西宮北口駅からバスに乗った。
夫婦で並んで座ってバスが夜の街を駆け抜ける。
不思議なことに、バスに乗ると街が見違える。
見慣れた街並みの長所美点がくっきり立体的に浮き彫りになって見え、しみじみと日々の暮らしの実感を噛み締めるといった心境になる。
家に帰ってあとは息子の帰りを待つばかり。
このように実質ある一日一日が積み重なっていく。