KORANIKATARU

子らに語る時々日記

感動の一場面

待ち合わせは14:20。

早く着いたので夕陽丘の駅をあがったところで仕事のメール返信などをしていた。

 

そのとき日傘を差す女性が前を通り過ぎた。

見るからに上品な雰囲気で、大阪星光の生徒の母に違いないとわたしは確信した。

 

と、その女性が振り返ってこちらを見たので目が合った。

家内であった。

 

二人並んで学校に向かい、校門で受付を済ませた。

懇談室は2階。

 

順を待っているとずらずらと父兄の一団が前を通り過ぎた。

浜学園の学校見学の日であるようだった。

 

おすすめですよと声をかけたい気持ちを抑え、目でその思いを訴えていると、担任の先生が現れた。

 

学年によって多少違いはあるが東大に行くなら学年50位以内、京大なら100位以内が目安になるという。

もちろん本人の意思を尊重し、50位以内だから東大へ行けと学校が指導することはない。

だから抜群に優秀でも京大に行くのがいまも星光の通り相場のようである。

64期の氏野くんが好例で、東大理Ⅲでも選べたはずの天才であるのにまったく迷いなく彼は京医を選んだ。

 

そんな話を途中で切り上げ続きは家内に任せ、懇談室前で中に呼ばれるのを待つ息子にラーメン代を握らせて、午後3時、わたしは同窓会室に向かった。

 

皆が卓越した仕事人。

同窓会報の編集打ち合わせはテキパキと段取りが決まり、この日最大の眼目であったOBからの寄稿についても、あらかた方針が決まった。

 

原稿依頼する候補の一人はすぐに決まった。

36期の小川大介氏。

 

教育界で知らぬ人なく、大阪星光自体も各種教育情報を得るうえで氏を頼りにしているそうであり、わたしも以前懇親会で会ってすぐに本を買って読み、なるほど大人の仕事術にも通じる普遍のメソッドが紹介されていたので感心し、その後、ツイートに目を通し、これはと思う内容は家内にも送るようになった。

 

教育については百花斉放百家争鳴、一億総評論家といった様相を呈しており、だから一歩間違うと、とんだ見当違いな俗説を盲信し子を翻弄するということになりかねず、無邪気安易にインチキメソッドを喧伝しそれで小遣いを稼ぐという輩も少なくない。

 

誰の言葉を参照するか。

それによってもたらされる結果は天地ほどの差となるから、親はよくよく気をつけねばならないと言えるだろう。

 

ちなみに氏は京大法学部卒業でご子息は日本で最も難しい中学3つともに受かっている。

氏の本を読めば、そりゃそうだろうと頷ける。

 

そのように手際よく編集方針が決まって、夜は場所を上本町百楽に移して懇親会となった。

ここで、感動の一場面があったので記録しておきたい。

 

お一人、博多から会場に向かっているとのことで到着の遅れたOBがあった。

 

そんなことはすっかり忘れ、わたしなど円卓に置かれた料理を次々と自身の小皿に移し、余っていると見れば人の分にまで手をつけるといった勢いでがっついていた。

 

当のOBが到着したのは、宴始まって一時間経過後の午後8時過ぎ。

 

その森田先輩17期が席についたとき、わたしたちは気づくことになった。

出された料理の全種類が小皿に取り分けられ整然と並べられていたのだった。

 

皆がその心遣いに感心し声をあげ、わたしなど感動のあまり写真に撮った。

 

遅れる先輩のためその都度料理を取り分けていたのは、若き弁護士、53期の塩見拓人、京大法学部卒。

ひと目でハンサムと分かり、じっと見ればますますハンサムな男子なので、もし大阪星光婚活事業でパンフレットを作るとなれば、全OB一致の見解で彼はその表紙を飾ることになるだろう。

 

33期の清水章夫も濱口健宏もかなりハンサムであったが、往年のチャンピオンの誰一人としてモンスター井上尚弥には敵わないといった話のように、彼らが束になってもいまやハンサムさで敵わないのではないだろうか。

 

優しい人物ばかりであり、男前もわんさ。

やはり大阪星光は素晴らしい。

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2019年7月6日午後8時 上本町 北京料理百楽