出先での業務を終え門真某所にてバスを待った。
5分程度の待ち時間であったが暑さで焦れた。
お盆休みに入ったせいか工場地帯を走る車は少なく往来はがらんとしていた。
なかなかバスはやってこなかった。
10分以上待ってようやくバスの姿が見えたとき、それは砂漠に現れた救出車両のように思えた。
容赦なく照りつける直射をようやく逃れることができ世界が一変した。
冷房のよく効いたバスに乗り込み腰掛けて一息ついた。
わしお耳鼻咽喉科の夏まつりは午後4時にはじまる。
このまま西宮に戻れば十分間に合う。
バスと電車に運ばれ、これがほどよい休憩となった。
家に寄ってシャワーを浴び着替えてから現地に向かった。
夕刻を前に風も出て暑さは幾分か和らいでいた。
果たして、夏まつりは大盛況であった。
馴染みの常連さんが子どもたちを伴い詰めかけていた。
わたしは入口付近に立ってその様子を眺め、小さな子どもたちが喜んでいる姿に目を細めては、うちの息子らの幼かった頃のことを思い出していた。
ここらのお利口で行儀いいちびっ子たちとは大違い。
うちの息子らはほんとうにアホでやんちゃで手を焼いた。
まつりの終了が午後6時。
つまり2時間ほど、わたしは遠く過ぎ去った時間に分け入って、幼かった子らの姿の再放送を目にしていたようなものだった。
すべての思い出が懐かしくて愛おしく、まったく退屈することのない2時間であった。