久々に冷え込み寒さが懐かしく感じられた朝、食卓を挟んで息子と向かい合った。
わたしは新聞を読みつつコーヒーを飲み、これはといった記事を幾つか息子に手渡し、2,3言葉を交わした。
キッチンで弁当の支度をしている家内もそこで会話に加わるが、家内の場合は口数多く2,3で済まない。
海鮮丼をかき込みながら、息子が家内に言った。
朝からハイテンションやな。
その言葉を受けて家内が言う。
美味しいものを食べてもらうのが私の生き甲斐。
肉ばかり続いたから今日は趣向を変えてみた。
朝から海鮮丼の家などどこにもない。
息子はハイテンションと言ったのに、煮炊きの音が各シラブルにまぶされたからかあら不思議、家内の耳に届くときには海鮮丼との響きに成り代わったのだった。
やはりどうやら料理は魔法で、家内はその達人。
彼女にかかれば、口にするもの全部がおいしいものへと姿を変える。
プレイバック昔の写真 2011年6月19日 練習後