日曜日、朝6:30に家を出て一路西へ。
新しいクルマで初の遠出となった。
快調に走ってちょうど二時間。
朝8:30に備前焼まつりの会場に着いた。
まずは腹ごしらえ。
各種出店を物色し、倉敷焼きそばとケバブを選んで家内と分けた。
町一帯が会場。
窯元が立ち並び、趣き深い。
通りは歩行者天国になっているから、秋の空のもとのびのび歩け、出店数多くバラエティに富み、食欲の秋も満たされる。
家内に付き従い様々な窯元を見学し、行き着いたのは結局、備前焼窯元黄薇堂(きびどう)。
地味で重厚な作品が多い備前焼のなか、ぱっと華やいだ雰囲気があってそこがいいのだと家内は言う。
以前訪れたのは8年前。
そのときは旅先からの帰り道だったので子らも一緒だった。
社会見学さながら窯を見せてもらいお茶と茶菓子をご馳走になった。
懐かしい。
家内があれやこれや質問し品定めする間、わたしは庭先でコーヒーをいただいた。
満足行く買物ができたようで家内の表情も華やいだ。
時を追うごと人で混み合う会場を後にし、次に向かうは日生町。
目当ては、カキオコ。
岡山が誇る究極のB級グルメである。
いろいろと調べ、「もりした」を選んだ。
大量に焼いて捌くのではなく、数限られた鉄板の前で店主自ら直に焼いてくれ、美味しい食べ方についてレクチャーしてくれるから初心者にとって忘れ難いカキオコ体験となること請け合いである。
大阪ではお目にかかれないほど牡蠣は大ぶりで滋味に富んで、驚くほどに美味だった。
牡蠣を大盛りにして正解だった、そう家内と頷き合った。
御年78の店主が懇切丁寧。
ひととき最上の時間を得られ店を後にしすぐ夫婦で再訪を期した。
お腹膨れて、遠出の締めは食材の買い出し。
海の駅を経由し道の駅にも寄ってから帰阪の途についた。
山陽道から中国道。
それがお決まりのルートであるが、途中、ナビの指示に従い加古川バイパスを経て阪神高速に入るルートを選んだ。
が、してやられた。
事故が2件もあったようで加古川バイパス付近で車列の動きは止まり大渋滞に巻き込まれてしまった。
ネットで調べると中国道に渋滞はない。
ナビなのだから加古川バイパスに渋滞があることなど見通せたはずである。
一体なぜ嫌がらせのような選択をナビがしたのか皆目見当もつかない。
ご挨拶にもほどがあるというものだろう。
予定より大幅に帰宅が遅れ、疲弊した。
家で酒でも飲んで横になりたかったが、そうは問屋が卸さない。
家内に尻を叩かれ一緒にジムに向かい、ラグビーのフランス対ウェールズ戦を見ながら、前日同様、半時間ほど筋トレし小一時間走った。
不思議なことであるが、あれだけクタクタでカラダが重たかったのに、ジムでカラダを動かした途端に蘇生した。
エンジンをまわせばまわすほど充電されるバッテリーのような仕組みがカラダにも備わっているのかもしれない。
ジムを終えたときには日が暮れて、西の空がほんのり赤く染まっていた。
近くのスーパーに寄ってワインを買い、クルマに乗ってテレビをつけるとフランス対ウェールズ戦は19対13、残り10分という状況でゲームは緊迫していた。
スーパーの駐車場にクルマを停めたまま家内と試合に見入って、19対20。
ウェールズが見事逆転トライを決め守り抜きノーサイドとなった瞬間を見届けた。
そしていよいよ準々決勝は日本対南アフリカ戦を残すのみとなった。
二男は友人らと連れ立って花園のパブリックビューイングに出かけ、夫婦は家のテレビで日本に声援を送る。
試合開始前に家内が手際よく料理の支度を整えた。
白ワインを飲みつつ、今日買ってきたばかりのシーフードに舌鼓をうつ。
タコとエビとマッシュルームのアヒージョにアジの南蛮漬。
エビとタコの天ぷらには瀬戸内のレモンがよく合った。
それに加えて鶏肉ときゅうりの生ピーナッツ和えと焼き万願寺とうがらし。
この日も充実の夕飯であったが、テレビでは世界最強レベルが本気だした時の壁を、目の当たりにすることになった。
フォワードが完全に力負けしていてこれでは前に進めず勝てる訳がない。
黒人の身体能力とオランダ系の図抜けた体格が混成されて南アフリカの強靭が生まれる。
これに立ち向かえるのは、世界随一の屈強さ誇るポリネシアの雄、オールブラックスをおいて他には存在しない。
日本がここまで来たのは凄いことだが越えるべき次のハードルはめちゃくちゃ高い。
とりあえず来月は秩父宮競技場を訪れ、ラグビー早慶戦にて芦屋の星、早稲田のフォワード小林賢太に夫婦で声援を送ることにする。