日曜日の朝、家族揃ってカレーを食べ、二男を送り出しわたしたちはジム。
ひと昔前ならヒロコーヒーに行ってゆっくりお茶でも飲んでいたことだろう。
ジムで家内が年若い友人と出くわした。
筋トレのエキスパート。
わたしも含め手取り足取り指導を受けた。
その女子のカラダのシルエットをみれば全てのアドバイスが適切的確に思えなんでも言うことを聞こうという気になった。
背筋の仕方とラン。
わたしのやり方はNGであった。
40分以上走ると筋肉を鍛えた効果は失われ、やった感があるだけで実はどこも鍛えられていない。
いったいこれまでの人生は何だったのだろう。
傾斜10、速度5.5で30 分速歩するよう助言を受けこの日を境、わたしのランは大きく様変わりすることになった。
中身濃厚なトレーニングを終え、帰途神戸屋レストランでビーフピラフとハンバーグ弁当とサンドイッチを買い昼食とし夫婦で分けた。
支度整えようやく日曜本番。
久々神戸に出かけることにした。
一瞬小雨ぱらつくも、コート不要の暖かさでそこらぶらつくとほんのり汗ばんだ。
いったい日本の冬はどこに行ってしまったのだろう。
家内に連れられケーキなど食べるうち時間となった。
映画『パラサイト』鑑賞がこの日のメイン・イベント。
シネ・リーブルにて夫婦肩を並べた。
笑いもあって穏やかな出だし。
ジェットコースターがゆっくりゆっくり上昇していくようなもの。
ここから一気に急降下すると予感できるから、楽しい雰囲気の絶頂でわたしも家内も恐怖に駆られた。
そこからは右へ左へまったく予想できない展開。
家内などときおり声が漏れたし、二人くっついてでなければとても行方を凝視できない緊迫感に満ちていた。
寓話性もあっても物語の浸透力はそこら映画をはるかに凌ぐ。
『ジョーカー』と双璧を成す。
そう言っていいほど傑出した作品であった。
夫婦で観終わってクタクタ。
海側から山手に向いて10分ほど歩き途中ボクサーの長谷川穂積さんとすれ違ったところでリストランテ・ハナタニに到着した。
料理がたいへん素晴らしく映画の重い余韻が吹き飛んだ。
魚もパスタも肉も絶品で趣向凝らされた一品一品に夫婦で目を丸くし舌鼓を打って会話弾んでワインも進んだ。
一日の句点は巨大なマルとなった。