近所にピザ屋ができた。
二男が食べたいと言ったので早速買ってみることにした。
家内が電話で注文し、わたしが財布を出し、二男が取りに行った。
ちょうど夕飯時。
偶然にも小学校のときの女子友が買いに来ていて、これまた偶然、同じく小学校の女子友が店でアルバイトをしていた。
買いに来ていた女子友が二男の今の塾友でなかったら、アルバイトをしている方の女子友は客の男子がかつての同級生だったということに気づかなかっただろう。
それほど二男の風貌は幼少時から様変わりした。
久々に顔を合わせた女子友が驚くのも無理はなかった。
家に戻った二男からそんな話を聞いて、家内が言った。
人それぞれの度が、学校が休みになって増している。
確かにわたしもそう思う。
家で待機と一様に言うけれど、過ごし方は千差万別。
学校に通うという一律の在り方と異なり、有り様はバラエティに富んでいるのではないだろうか。
長く学校に慣れ親しんだ者であれば、別種の視点を得るいい機会となり得る。
しかし、たとえば新入生などは春の到来をお預けされたようなものであるから気の毒と言えるかもしれない。
新学期、友だちができるときのあのくすぐったいような瞬間は貴重。
早く味わわせてあげたいといった思いにもなる。
ピザを食べつつ、長男にメールし近況を聞く。
大学の講義はオンラインとなって、外に出るとしたらバイトくらいで、このバイトもオンライン授業になったという。
オンライン授業の発信側になるなどとてもいい経験と言えるだろう。
先々活きるに違いない。
二男の学校でも本格的にこの月曜からオンライン授業がはじまった。
初っ端の授業が宮本先生の数学βだった。
わたしたちが教わっていたのは30年以上も昔のこと。
そんな時間をひとまたぎして、リビングのテーブルに置くiPadに宮本先生の顔が大写しになったのだから驚いて、次に懐かしさが込み上がった。
66期の文系数学が宮本先生で理系数学が立野先生だという。
33期なら分かるが強力タッグ。
そんな布陣に率いられる66期は大いに躍進するに違いない。
思えば高校生活は残り僅か。
勉強に励むにしても学校が休みだと、あとひと押し何かが足りない。
ライブで授業を受けたからこそ懐かしく、オンラインで残る記憶とは格納される場所が全く異なる。
昔の記憶を振り返り、目にした画像と見比べてその差をまざまざと思い知った。