早朝から飛ばし過ぎた。
どう考えても睡眠不足だった。
午後、電車の中でスイッチが切れた。
不覚にも完全寝落ち。
一日を台無しにしないため、一眠りする必要があった。
確かこの辺りに休憩に適した風呂屋があった。
それを思い出し駅を降り、みずきの湯に向かった。
平日なのに混み合っていた。
職人風情が多いように見えた。
雨で早くに仕事を切り上げたときは、みずきの湯といった行動様式が彼らのなかに存在するのかもしれない。
ぬるめの炭酸泉にゆっくりつかって湯を上がり休憩所のリクライニングで一時間仮眠を取った。
運転中のドライバーが路肩で一休みするようなものである。
これですっかり回復を果たせた。
事務所に戻って遅れを取り戻すべく働いて、働いた。
遅い時間となったので近所で夕飯を済ませることにした。
久々の日本盛。
おじさんらの談笑を聞きつつ、わたしも好きなことを思いつくまま話してみようかとも思うが、思いとどまった。
日記のいいところは好きなことが書けること。
喋らず書けば済む話。
そう思ってわたしは賑わう酒場のなかで沈思した。
小学校時代、学年一位は長男であり二男だったのではないか。
先日そのようなことを書いた。
では長男と二男が決勝で相見えたとすれば。
見知らぬおじさんさら相手にとてもではないが話せぬことを思考しわたしは一人不敵に笑って楽しんだ。
長男はわたしの三倍賢く二男は更にその三倍賢い。
深さではそうだが賢さを活用する広さはどうか。
二男はわたしの三倍顔が広く長男は更に三倍顔が広い。
そうなると今現在、等価な二要素による積は同じ。
いまは引き分け。
今後の行方が楽しみ。
そのように親バカの悦楽にひたっていると「どこで何をしているのか」と家内からメールが入って酔いが覚めた。
仕事中と返信し食事は済ませたと付け加えた。
土日のスケジュールについて詳述されたメールが届き、わたしは素直に恭順の意を表した。
日曜は京都で食事。
だからその前に京都でジムに行くのだという。
わたし一人では思いつかないし、思いついても実行しないような過ごし方である。
楽しみはいつも女房の方からやってくる。
そういう点でもわたしは感謝せねばならないのだろう。