さすがに9連休では長すぎる。
8月11日と12日は交替制での出勤にした。
12日はわたしの番。
空は青く澄み渡り電車はがら空き。
役所からの電話があるくらいでのんびりしたもの。
仕事がかなり捗った。
合間合間、長男からメールが届く。
芦屋セントラルが休館だったから家でトレーニングする、といった他愛のない連絡ばかりであるが、息子とのやりとりは仕事中の息継ぎのようなものであって欠かせない。
夕刻はわたしの実家を訪れるという。
両親の喜ぶ顔が浮かぶ。
孫だけが老いた親にとっての楽しみ。
孫の成長という観点で見れば自らは老いても時間の経過をことほぐことができる。
目を細め相好を崩すのも当然と言えた。
仕事を終え家に帰ると家内はオンラインヨガに励んでいた。
新しいヨガのコースを各種見つけたそうでラインナップがとても充実しているとのこと。
食事の支度の後、別のレッスンが始まった。
わたしは、ヨガする女房を晩酌の相手にすることになった。
家内がポーズを決めながら言った。
便利な世の中になった。
ヨガの後、次は英語のレッスンが始まった。
家内の充実に目を見張っていると、長男からメールが届いた。
従兄弟と一緒に映画のレイトショーに行くという。
今夜は「透明人間」を観るらしい。
彼も帰省のひと時をたっぷり楽しんでいる。
そう思うとわたしまで楽しくなってくる。
ほどなくして、二男が帰宅した。
散髪したとのことで、まず真っ先に髪型を見せてくれた。
黄色のTシャツと白の短パンがよく似合っていて、体躯も申し分ない。
髪型も決まっている。
どこからどう見てもいい男。
全アングルでそう言えた。
もちろん息子を見る家内の目はハート型である。
息子の一日をねぎらってジョアを手渡し、早速、夜食の支度に取り掛かるのだった。
家庭の中で安らいで、自室で寝入り始めた深夜。
着信の音で目が覚めた。
長男からのメールだった。
「透明人間」は怖さ激烈。
これから帰るから12時を過ぎる、とのことであった。
家内を誘って久々映画を観るのもいいかもしれない。
そんなことを思いながら再び眠りについた。