午後の業務先は家の近所だった。
だから一度自宅に戻った。
そろそろ出かけようとリビングで支度していると家内がジムを終えて帰ってきた。
外は暑い。
わたしから申し出るまでもなく、仕事先までクルマで家内が送ってくれた。
業務を終え、再度家に立ち寄った。
すでに家はもぬけの殻。
わたしはそのまま事務所に向かった。
その車中、家内からメールが届いた。
いま芦屋にいるという。
家内は女子。
だからときおり阿部レディースクリニックを訪れる。
美容やアンチエイジングについて女子なら誰だって聞きたいことが山ほどもある。
そのグッドルッキングな風貌から推察できるとおり、阿部院長は大阪星光の33期。
話しやすいからすぐに打ち解けることができ、包み隠さず何でも相談することができる。
そして毎回、深い医学的知見と経験に基づいた的確で心優しいアドバイスをもらうことができる。
効果はてきめん。
診てもらうだけでも気持ちが晴れて若返る。
クリニックを後にし、家内は芦屋のいかりスーパーで買い物を済ませた。
やはり芦屋は普通の場所とは一線を画す。
行き過ぎるクルマは外車ばかりであり、すれ違う方々のお召しものはひと目見て高級品と分かり、その立ち振舞いと言葉遣いは至って上品で、その高貴が甘い香気を辺りに放つ。
まるで一流ホテルのロビーでひととき過ごすようなもの。
そんな場に身を置くと、それだけで十分なリフレッシュになる。
仕事を終え帰宅すると、家内は至って上機嫌だった。
芦屋効果で若返り気持ちまで豊かになったようである。
軽めの夕飯をともしながら、家内の芦屋談義に耳を傾けた。
ふむふむと家内の話を聞きながら、わたしは感謝の念でいっぱいになった。
西に東に33期。
皆、心根よく力量半端ではないから各自根を張った地で頼りにされて、その存在感を遺憾なく発揮している。
それら敬意に値する者らがうちの女房に親切にしてくれるのであるから、こんな贅沢で恵まれた話はないだろう。
この場を借りて皆に感謝の気持ちを伝えておきたい。
いろいろほんとうにありがとう。