明石からの帰途、頭に冷麺が浮かんだ。
そうなると、足がひとりでに動く。
長田で途中下車し、まっすぐ平壌冷麺に向かうことになった。
昼どきをとっくに過ぎた午後3時。
店は満員。
外でしばらく待たねばならなかったが、冷麺を食すのであれば待ち遠しいくらいがちょうどよく、その分おいしさが増すからその10分は嬉々としたものになった。
デラックス(大盛り)のスペシャル(ロース焼肉付き)を頼んで、大きな器と対峙し至福。
店を後にし、「なんておいしいのだ」といった言葉がひとりでに口をついて出た。
食道楽の贖罪はジム。
仕事後、じっくり筋トレし缶ビールをひとつだけ買って帰宅した。
その日の出来事について話を聞きながら家内の手料理を食べ、用事も終わってあとは自由。
いわば夫婦の放課後の時間。
家内はインド人講師を相手に英会話レッスンに取り組み、わたしは韓国ドラマ『夫婦の世界』を観ることにした。
韓国の歴代視聴率記録を塗り替えたというから期待高まる。
が、セットしたDVDがシャープAQUOSの規格に合わず、パソコンにも合わず、わたしはうんともすんとも言わぬ丸いDVDに視線を落とし、ただただ途方に暮れた。
ドラマは諦め、買ってあった漫画「二月の勝者」の8巻と9巻を読むことにした。
頭がおかしいとしか思えない受験ママや受験パパが続々と登場する。
描写がリアルで、読むうち中学受験の本質の一端が恐怖感付きで理解できる。
タバコのパッケージには、「吸いすぎはあなたの健康を損なうおそれがあります」との警告表示がある。
それと同様。
中学受験においても何か記載の義務付けが必要かもしれない。
「思い入れすぎは家庭の崩壊を招きます」といった感じだろうか。