朝、キッチンカウンター越し。
家内がミルクボーイ風に話し始めて、仕方ないので息子もミルクボーイ風に応じた。
そんな様子が思い浮かんだものだから、帰途、ひとり路上を笑って歩いた。
その余韻が表情に残っていたのだろう。
夕飯の際、家内に聞かれた。
なぜ機嫌がいいのか、何かいいことでもあったのでは。
思い出し笑いができるなど平和な証拠。
いいことであるに違いない。
が、説明するのは面倒なので、別に何でもないと答えた。
NHKのサラメシが終わるともう特に観る番組がない。
家内がランダムにリモコンを操作してSBSの歌謡番組にチャンネルを合わせた。
BTSやBLACKPINKそしてTWICE、それらを観終えるとまた再び観るものがなくなった。
そこで、家内は2年前の西大和運動会のダンス対抗戦の場面を再生させた。
ダンスという点で言えば前三者につながると言えなくもない。
あのとき、クラス対抗ダンスで高3の東大1組が優勝した。
総勢50人の男子が京セラドームのグランドに散って踊り始め、頭上高い位置に設置されたカメラがその様子を捉える。
うちの息子がセンター。
力強いがやけくそといった感じのバカダンス。
面白いが終始一貫、バカ丸出し。
もちろん西大和の俊英集まる東大クラスであるから、バカはうちの息子一人しかいない。
堂に入ったバカぶりで上半身裸のそのダンスが様になるから、彼をセンターに据えた人選は正解だった。
選りすぐりのバカであってもセンターならば親として誇らしい。
月日経っても大笑いでき、微笑ましい。
いつかどこかの路上。
わたしや家内が笑っていれば、このダンスのことを思い出しているからかもしれない。