月末は決まって慌ただしい。
いつもと同様に陽がのぼり、長針と短針がいつもどおりに文字盤を巡って時を刻むが、しかしその内実はいつもと異なる。
若い頃に比べ、ボールがあまり飛んでこないポジションにいる。
まったくボールが飛んで来ない日もあり、楽に憩うこともしばしばであるのに、月末だけは現役バリバリの奮闘を余儀なくされる。
老体にむち打って夕刻にはクタクタ。
そして、家が癒やしの場所となる。
当たり前すぎて気にも留めていなかったが、この日、気づいた。
わたしは家に帰ることを楽しみにしている。
ビールひとつだけを買い家へと向かい、さあ、今夜はどんな話が聞けるのだろう。
心密か期待に胸を膨らませている自分がいる。
わたしにとって、家内は料理名人であってちょっとしたエンターテイナーみたいなもの。
恵まれた話と言えるだろう。
先に風呂を済ませて食卓についた。
待ち構えていた家内が横に座って、iPadでいろんな人のインスタ画面を見せてくれる。
一種の紙芝居。
世にはいろいろな人がいて、添えられる家内の寸評が面白い。
ああ、をかし。
翌日は月初。
月初もどういう訳か忙しい。
が、終われば、お家。
互いぐるぐる回って一日を終え、家で集合。
楽しい時間がまた戻ってくる。