ラグビーの練習が始まる。
だから明日東京に帰る。
息子がそう言ったものだから、昨日、料理の凄みに拍車がかかった。
各種フルーツに肉や牡蠣やパスタやテールスープなど、朝から晩まで食卓に長男の好物が並んだ。
束の間であったが、息子二人が同時に家にいるという状態が発生し、いつにも増して家内の活性があがった。
西へ東へと買い物に出かけ、長男を乗せ二男を乗せあちらこちらへとクルマを走らせた。
長男が帰京した後、まもなく二男も上京する。
同じ大学に進学する仲間がすでに彼の地でホッケーの練習を始めている。
そうであれば大阪にいても仕方がない。
自らの活性が最も高まる場所。
そこを拠点と呼ぶならば、息子ら二人のそれはもうここには存在しないのだった。
だから家内の拠点も自ずと移ることになる。
足繁く東京に足を運び、育てたトラとライオンの世話を焼く。
そうと決めているから寂しいといった感情とは無縁で、そうと分かっているから血が騒いで心が浮き立つ。
すでに春。
家族4人、各々の胸に希望が灯って、それら光が互い違いに重なって前途が明るく照らされる。
そして進み出ていく場所が拠点となって、拠点が拠点を生んでいく。
この先、めちゃくちゃ楽しくなりそうだ。

