東京滞在の最終日。
時間が空いたという長男を渋谷に呼んで昼食をともにした。
前夜その背を見送ってしばらくお別れ。
そう思っていた家内はたいそう喜んだ。
息子は七千円、わたしたちは五千円のコースを選んだ。
何事も子が優先。
うちの家ではそれが食事の際、如実に数値化される。
食事を終えていよいよ別れのとき。
フルーツやら蜂蜜やらあれこれ持たせ渋谷駅前でその背を見送って、しみじみとしたものを胸に夫婦二人で帰阪の途についた。
車中、濃厚な5日間を振り返っているうちあっという間に大阪に着いた。
駅を降りると雨脚が強まった。
コンビニでビニール傘をひとつ買い、肩を並べて家まで歩いた。
やはり家が最高。
わたしはすっかりくつろぐ態勢に入ったが、いつだって家内は元気。
早速、おみやげを持って両隣へと挨拶に出かけるのだった。
そして戻った家内の第一声にまた驚いた。
今度はいつ東京に行こうか。
そのパワーは留まることを知らない。