KORANIKATARU

子らに語る時々日記

歓喜するじいさん

雨降る金曜、家内と手分けし用事をこなした。

 

夕刻、家内が美容院に出かけている間、わたしが留守番しセコムの定期点検に立ち会って、家内の帰宅に合わせ、今度はわたしがマッサージ屋へと出かけ、家内が掃除屋さんに立ち会った。

 

朝晩は涼しいがまもなく夏。

空調の掃除も頼んであったから時間がかかる。

わたしは90分コースを予約した。

 

疲れは意識と不可分で、だから疲労が残ると思考が淀む。

空調機器に定期的な清掃が欠かせぬように、カラダも同様、人の手により目詰まりを折々除去してもらわなければならない。

 

施術者は名人アキシノ。

包装ビニールのプチプチがはじける感覚というのだろうか、ツボを押されて小気味いい。

カラダ各所に内蔵されたリセットボタンが押されるようなものであり、カラダのあちこちがリズム良く息を吹き返していくのが実感できた。

 

ステップも軽く帰宅すると家内は上機嫌で家もきれいになっていた。

互い気分の波が最高潮、よきコンディションで金曜夜を迎えることができた。

 

ちょうどリビング用のLa-VIE足つぼマットが届いていたので、ソファに並んで座って二人で踏んだ。

 

そして観る映画はムービープラスで放送される『ジョン・ウィック』。

 

心理描写が薄っぺらで、ストーリーは単純極まりないほど大味、そしてそのご都合主義には目を覆った。

それでスイカでもブッ潰すみたいに人の頭に終始銃弾を乱射し続けるのであるから、これがエンターテイメント作品として成り立っていることに一種の狂気を感じた。

 

コメディとして観る他なくそのばかばかしさを夫婦で笑って、次第関心は映画ではなく窓の外に移った。

 

どこかのおじさんが孫を連れて公園を散歩していた。

酔っているのだろう、声が大きい。

 

孫の一挙手一投足を大袈裟に褒め称え、よちよち歩くだけでその名を連呼し絶賛しているから傍で聞いていて微笑ましい。

作品として名づけるなら「歓喜するじいさん」。

 

筋立てはシンプルだが共感誘って、あとでじんとくる。

わたしたちの気分の波は再び回復していった。

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2021年2月15日 早稲法受験日の朝食と携行食,4月1日 入学式の朝