昨夏は帰省した長男を連れ明石の寿司大和を訪れた。
今年は二男を伴った。
昼を前に出発し玉津ICで高速を降り片道約一時間。
予約してあった座敷に陣取った。
小さい頃、二男が食べることができたのはマグロと玉子だけだった。
いまは何でもよく食べる。
しかしマグロが好物であることは変わらない。
トロを頬張ると笑みがこぼれる。
その二男の表情を夫婦で注視した。
夏なので形だけでもビーチで泳ごう。
二男がそう言ったので、食後、洲本まで足を延ばすことにした。
明石海峡大橋を渡り、淡路鳴門自動車道を洲本で降りた。
カフェでお茶する家内を残し、息子とかき氷を食べてから大浜海水浴場にて海と対峙した。
強い日差しが照りつけ、白い砂浜も沖から打ち寄せる白い波もきらきらと光って見えた。
わたしたちは短パンだけになって並んで海へと歩を進めた。
海水に全身をひたし、そして数十秒そこらを平泳ぎした。
これにて終了。
まるで儀式のように形だけ、息子と二人、不滅の夏を満喫した。
そして、仕上げは風呂。
洲本温泉に日帰りできる適当な場所がなく、神戸まで戻ることにした。
家内がコンビニで飲み物とつまみを調達する間、わたしは目的地を神戸みなと温泉 蓮に合わた。
プシューと缶が開いたと同時、わたしはクルマを発進させた。
後部座席の宴会が、海の広がる景色のなか北へ北へと運ばれていった。
風呂はガラガラだった。
世情もあるが、ひとり三千円も払って湯につかる人はそうそういないのだろう。
男女で分かれ、わたしは二男とサウナで過ごし男ならではの話で盛り上がり、露天風呂にて夏空を眺めて互い星光時代の話を交わした。
二男が云うには、66期全員が生涯にわたって大切な友人で、そんな出会いをくれた学校に感謝しているとのことだった。
33期も同じ。
その昔、二男にクワガタムシをくれたデビルをはじめ、馴染みの面々についてエピソードを交えわたしは語った。
卒後、先生らへの感謝の念も生じたとのことで、二男は村田先生や石原先生の親心を懐かしみ、対するようにわたしは小田原先生や柴田先生のことを懐かしんだ。
風呂を上がるとすっかり日は暮れていた。
一歩外に出て驚いた。
神戸の夜景は息を呑むほどに美しかった。
しばしそこに留まり、街の灯を受けて艶めく海に家族で見入った。
クルマに乗り込み、そこで家内が電話で名店瓢箪に電話した。
テイクアウト6人前を注文し、元町に寄り焼き立てを受け取ってから帰途についた。
夜は家にて二次会。
ひょうたんの餃子に加え、家内手製のすじ肉、各種おつまみが添えられ、ビールが空いてワインが空いた。
もちろんわたしはノンアルコールで付き合った。
家族というのは素晴らしい。
遊んで更に結束が強まる。
明日もまた楽しもう。
各自豊富を語り合った。