9月の初旬は鳴門の海で二男と過ごした。
そして、うちには息子がもう一人いる。
今夏、彼は忙しく帰省もままならなかった。
それでわたしたちが動くことにした。
この秋の入り口、長男に会うため大阪を発った。
新幹線との比較を兼ねて久々、飛行機を使ってみることにした。
自宅からタクシーで伊丹空港まで30分もかからない。
待合ロビーでお茶を飲み、搭乗後一時間もすれば東京に着地する。
かつ羽田から渋谷までこれまた30分ほど。
ホテルに荷物を預けて、これで東京散策の準備が整った。
かなり楽。
悪くない。
夫婦で近場をぶらり散策し、青山にある「希須林」で順を待ち昼にした。
担々麺と麻婆豆腐と五目あんかけ焼そばを頼んだ。
とても美味しい。
大阪での中華体験がいともあっさりと上書きされて、わたしの中この店が最上位に位置することになった。
腹ごなしに表参道を家内と歩いた。
何の変哲もない路地の一角に名店が立ち並び、そこらでしょっちゅう家内が足を止めた。
わたしはそのたび路上に立って往来を行く人をぼんやり眺めた。
身なりのいい人ばかりに目がいって、そんな視線できょろきょろとするわたしは典型的な田舎者と化していた。
歩き疲れたので原宿でお茶にした。
資生堂パーラー「 ザ・ハラジュク」にてアフタヌーンティーを頼んだ。
明治神宮と代々木公園の木々の緑を眼前に見て心が癒やされ、腹ごなししたばかりなのにたっぷりスイーツを口にして紅茶をじゃんじゃかお代わりした。
夕刻の山手線を使って渋谷に戻った。
ラッシュを覚悟したがガラ空きだった。
まもなく部屋に長男が現れた。
わたしたちはもはや腹に余白なく、ウーバーイーツで息子のための肉を調達した。
ここのホテルは過ごし良い。
部屋の居住感が素晴らしいし風呂もいい。
部屋でくつろぎ近況を語り合った。
台風14号が西日本に上陸し、夜半、東京にも雨が降り出した。
窓外の雨が激しさを増すほど室内は一層静まって、皆で久々、川の字になってぐっすり眠った。