KORANIKATARU

子らに語る時々日記

うまい、との声が翌日まで響き渡った

記念すべき第一回目は2020年12月19日の土曜日。

苦楽園の「鮨たかまさ」に集まった。


今回ようやく二回目にこぎつけた。

2021年11月26日金曜日、北新地の「緒乃」での集合となった。


ほぼ一年ぶりの再結集。

が、前回いつだったか。

空での記憶はあやふや。

去年の夏だった、今年の夏だったなど、口々に出る言葉はばらついた。


こういうとき、日記が威力を発揮する。

たかまさ、と検索ワードを入力して日付が一意に定まった。


全員が定刻に揃うかどうか。

店を予約した身としてはそれを案じた。

揃ったときには安堵して肩の荷も下りた。

わたしの役目はそこで終了。


だから一品目のセコガニを皮切りに料理を堪能し気ままに飲んで、端の席から幸福な団欒の様子を眺めて、心ゆくまでお酒を楽しんだ。


一年ぶりの集結であったから紅白や日本シリーズといった一大イベントの趣きを呈するのも無理はなかった。

言葉が飛び交い、仕事柄ほぼ全員が口達者であって診察室というリングで見せるのと同様、トークが切れに切れ随所でクロスした。


会話が会話を呼んで、当初、料理の存在はかき消えた。

このまま会話が弾みっ放しで会話だけが突っ走るのかと思われた。


が、このほどミュシュラン一つ星を獲得した実力者は着実にその存在感を露わとし始めていた。


うまい。

そんな感嘆の声がどこかからあがって、場が静まった。

瀬古利彦が鮮やか颯爽と先頭集団から抜け出たような瞬間と言えた。


この日の主役が前へと躍り出て、以降、「うまい」という語が頻発するようになり、「うまい」という言葉が「会話の合間」から「会話の枕」に取って代わっていった。


並み居る食通をして「緒乃」がいちばん、ダントツでうまいと言わしめるだけのことはあった。

「緒乃」の店主はやはり天才なのだった。


深夜に至ろうとする時間、お開きとなって会計はひとり41,000円也。

さんざ飲んだのであるからこんなものだろう。


では、次は第三回で。

そう言って店の前で別れた。

わたしは「西宮北口、夙川、苦楽園」という経路をたどる先生方のタクシーに乗せてもらって、いちばん最初に降車した。


翌日、幾つもの声が寄せられた。

うまい、という語が翌日まで響き渡った。

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2021年11月26日夜 北新地 緒乃