KORANIKATARU

子らに語る時々日記

ウソが手軽になる時代

午後三時、家内が差し入れを持って事務所にやってきた。

お茶を入れてひとときの団欒。

皆を笑わせて楽しい。

 

夕刻、一緒に帰宅した。

寒さがぶり返し、風が冷たさを増していた。

が、仕事後である。

気持ちはほのぼのと温かく、まもなく夕飯。

寒さなどなにほどのものでもなかった。

 

家内が肉を焼いてワインを飲み、対するわたしは肉を食べてノンアルで喉を潤した。

自らに強いる訳でもなく普段は飲まない。

これが当たり前の習慣になってきたので、この歳になってわたしは一昔前より成長したと言えるだろう。

 

並んで食事しサラメシが終わったところで観たいと思うテレビ番組はなくなった。

家内が淹れたお茶をすすってタブレットに視線を移し、You Tubeなどを渉猟しそしていつものインスタおばさんに行き着いた。

 

天真爛漫なセレブで幸せいっぱいな愛されキャラ。

設定としてはそうなのだろうが、盛って飾る分だけ小ウソが堆積し、陰気で貧相な舞台裏が袖から見えて物悲しい。

 

おそらく本人にとっては本当か嘘かなど大した問題ではないのだろう。

気分良ければそれでよく、内面においては思い込みがすべてで、それで砂上の楼閣が堅牢なものへと成り変わる。

そういう意味で、嘘が手軽になるこの時代、彼女はかなり先を行っていると言えなくもない。

 

しかし、長くは続かないように思う。

 

人はニセモノよりホンモノに価値を置く。

サバイバルする過程でそうなったのか、生きるうえでの原理であるとさえ言えるだろう。

だから、ニセモノと見透かされれば相手にされず、ウソつきと分かれば距離まで置かれる。

そうなってはたとえ内であっても堅牢は維持し難い。

 

といった話をしつつ家内と結論に至った。

他人のことはどうでもいい。

うちの息子らがこの類の強烈な見栄っ張りに巻き込まれぬよう、神に祈ろう。

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2022年2月1日 朝食 ミネストローネ

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2022年2月1日 女房から事務所に差し入れ アシッドラシーヌ

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先週を駆け抜けた昼食