週末は三連休。
家内と上京しひさびさ息子たちに会う予定になっていた。
だから、寿司屋や焼肉屋の他、四人で宿泊できる部屋も予約してあった。
おいしいものをたくさん食べて夜景を横目にホテルの部屋で飲み明かし、家族四人で仲良く過ごす。
そんな夢のような数日になるはずだったが、直前になって予約をすべてキャンセルすることにした。
息子たち各々から入ってくる情報を総合すれば、今のこの時期、大した用もないのに大阪と東京間を行き来するなど反社会的な行為に近いと思われた。
残念なことではあるが、どうせまたすぐ会える。
そう思えば済む話であった。
会えずとも息子らが明るく元気で過ごしていれば、それ以上望むことなど何もない。
たまに欲張ってしまうが、実のところそれで親は十分に幸せを感じることができる。
明るく元気。
それが何より。
で、そう思って気がついた。
これは母親由来といって間違いない。
お腹に宿したとき以来、明るく元気な家内がふんだんに愛情を注いできた。
だからそれが養分となって息子らも「明るく元気」になったと言えるだろう。
枷をはめて鞭打ってといった母性の過剰とも無縁であったから、子らが行き場のない鬱屈を抱えることはなく、おかげで、陰気に塞ぐ暗い目からも毒気を含んだ尖った目からもほど遠く、その目には覇気がほんわか灯って頼もしい。
親はなくともそれさえあれば、後はなんとかやっていけるに違いない。
今度また日を改めて。
ウイルスの飛散が落ち着く頃合い、明るく元気な息子らに会いに行こうと思う。