離れて暮らし、息子たちとの交流がより一層深まった。
毎日のようにその近況を聞く。
それはこの家に住んでいたときも同じだったが、情報の中身が今の方がはるかに濃い。
上京しなければ出合えなかった世界に彼らは身を置き、日々その世界が目まぐるしい。
何もかもが新鮮で、かつ同時にハードでもある。
振り返れば親の姿は遠くにあって、距離があるからそのありがたみが実感できる。
長い旅にひとり出立したのだと各々が否応なく悟ったはずで、だから向き合うテーマは自ずと掘り下げられて親へと寄せる道中記は刻々その深みを増していく。
一緒に暮らしていれば今も高校時代の延長といった趣きであったかもしれない。
だとすれば、自分の足でこの人生を歩いていくのだという自覚は薄く、ジャンプするような非線形な成長はとうてい望めなかっただろう。
つい先ごろまで、彼らをみれば小さい頃の面影と重なった。
それがだんだん、別の何かになったのだとこのところは感じられるようになった。
昨日、仕事を終えた帰途、西宮ガーデンズで自分のためのシャツを買い、ついでに息子らの分も一緒に選んだ。
サイズが如実に物語る。
やはりもうとっくにちびっ子ではないのだった。