先日のこと。
ある事業主の方に格闘技について教えられた。
この6月に日本一を決める戦いがあって、格闘技ファンなら誰もが熱く注目している一戦があるのだという。
わたしは何も知らない。
が、聞くうちその熱がこちらにも伝わってきた。
タケルとテンシンという異なる団体の王者同士が、数々の障害を乗り越え雌雄を決する。
ともに無敵。
どちらかが強いのだ。
考え始めたら止まらない、眠れない。
そんな夢の対決が実現しまもなく決着がつく。
リングサイドのチケットは百万とも三百万とも言われるそうである。
知らないと知らないままであるが、知れば多少なりとも興味が湧く。
前知識を入れるためわたしはYou Tubeを視聴した。
で、感じた。
このところますますテレビから遠のいている。
テレビを見るとすればニュースくらいに限られる。
それ以外はどの番組もショッピングチャンネルみたいなものとなって小やかましく、無用の長物と化している。
ニュースを見るのが辛いと言って家内は最近はアップルTVでスヌーピーを流し、わたしも息子らも見るとすればもっぱらネット配信が中心となる。
このように誰もが各自の趣味趣向に沿って合致した内容を探してアクセスし、そこからまた派生して隣接分野を渉猟することになる。
だからテレビに帰ってくるということが起こらない。
皆が皆、同じ番組を見ていたという時代は終わってしまったのだった。
テレビが注目の的ではなく蚊帳の外に追いやられるなど、一昔前、一体誰に想像できただろう。
土曜夕刻、アップルTVで「パチンコ」第6話を観ていると、家内からメッセージが届き写真が送られてきた。
いま、渋谷で息子と飲んでいるのだという。
育てた息子がでかくなり、東京の街で一緒にグラスを傾ける。
ささやかながら、子育てについてひとつの到達点と言え、その光景を思い浮かべてわたしも嬉しい。
この後、息子はMacBookで、家内はiPadで、各自「パチンコ」最新話にアクセスすることだろう。
家族一緒にテレビをみたのは、いつのことだったか。
「西遊記」の再放送がまず思い浮かび、ひところの「イッテQ」が続いて浮かぶ。
うちの家族ひとつとってみても、テレビの時代はとうの昔に終わっていたのだった。