KORANIKATARU

子らに語る時々日記

ルールの運用は緩く柔らかく

明石での業務を終え西から東へと大移動し、吹田岸辺で電車を降りた。

長谷クリニックは吹田市民病院の手前、クリニックモールの一角に位置する。

 

待合室でテレビの大画面を眺めつつ順番を待った。

 

この日も同様。

院長がそのたびに待合室に姿を現し、次の患者さんの名を呼んで診察室へと招き入れていく。

 

以前、院長に伺ったところ、声を掛けるところから診察が始まっているとのことであった。

ぱっと見たときの印象、診察室へと足を運ぶ様子、そういったことから得られる情報は少なくない。

 

患者側からしても嬉しい。

わざわざ院長が呼びに来てくれるのであるから、大事にされていると分かって、やはりそういうことに人は深く感じ入る。

 

説明は明快で分かりやすく、ときに厳しい見解も真摯な言葉で伝えられるから診察を受けて心が開く。

 

診察室を出たとき、多くの人が笑顔になっているのも頷ける。

また、若い女性の来院者が増えているという話にもそれはそうだろうと納得がいく。

 

採血を受け、クリニックを後にしてわたしも明るい。

それで思った。

 

月曜、火曜、水曜とお酒を飲んでおらず、この木曜で四タテとも思ったが、そうムキにならずともいいだろう。

 

このたび新たにうちの事務所にとてもいい女子職員が入った。

それとは別に、来週火曜、緒乃での飲み会は盛会となること間違いない。

これまた別に、息子の就職も決まったし、そんなこととは関係なく、季節は順調に移ろいまもなく夏がやって来る。

 

めでたい、と思えばなんでもめでたい。

 

だから、帰途、一杯飲んで帰ることにした。

夕飯の手間が省けて家内も喜ぶに違いない。

 

地元駅前の焼鳥屋にはじめて入って、メニューを見てその安さに驚いた。

日暮れが迫って、続々と客が連れ立って入ってくる。

 

カウンターにひとり腰掛け、にぎやかな談笑を背中に聞いて思った。

 

さあ、わたしたちも飲み会。

そろそろ飲み会を解禁し、懐かしの面々に声を掛けていこう。

 

一人で飲みつつ皆の顔を思い浮かべる。

やがて内なる談笑が背後の談笑を押し返していった。

2022年6月16日 西宮 焼鳥まさや