先日、上京した。
その際、自転車で家内の後をついて回った。
家内には楽な行程であっても、体力差は顕著でわたしは疲弊した。
帰阪直後は疲れが過ぎて、なかなか寝付けず、遠い昔のことを思い出した。
若い頃、朝から晩まで働いて疲れ果て、眠れないということがままあった。
足腰がだるく首肩が疼いて、眠ろうにもそれらがノイズとなって安眠が妨げられた。
結婚して以来、そのように疲弊すれば若き家内がマッサージしてくれたし、やがてハードワークとは無縁になったから、まるで前世のおぼろなエピソードみたいにそんな記憶は霞んで消え去っていた。
思い出して今と比較すればよく分かる。
独身時代は暗黒だった。
極度に疲労し、コンビニ弁当を主食とし、そして何より孤独だった。
結婚し運勢自体が様変わりしたのだろう。
疲労は適度な範囲に収まってスヤスヤ眠れ、食事内容は内でも外でも格段に良くなった。
そして、いつも間近に家族がいて、その間近さと言えば心のなかにあるようなものであるから一心同体と言え、ここに孤独の立ち入る隙は全くない。
この日も同様。
北新地緒乃にて美味しいものをたらふく食べてしたたか飲んで、家のベッドにカラダを預け、しあわせいっぱい朝までぐっすり泥のように眠った。