初日、無料と有料の演舞場で阿波踊りに接した。
次の日、寿司屋へと向かう道中、タクシーの運転手は言った。
阿波踊りはこんなものではない。
例年に比べ、参加者数も見物客も大幅に減少している。
かつては至る所で盛り上がり、人がひしめき、身動きも出来なかった。
食後に受けた足ツボリフレのお姉さんも言った。
数年前は街中の至る所が阿波踊りだった。
プログラムされた会場内だけでなく、そこに収まらないはみ出し者らがゲリラ的に独自の動き激しい阿波踊りを展開し、周囲も一緒に踊り出すから路上ででいきなり始まるフラッシュモブみたいで、それはもう凄かった。
だからわたしたちが目の当たりにしたのは目減りした阿波踊りと言えたが、それでも十分だった。
来年も来よう。
家内は何度もそう言って、夜、小さな「フラッシュモブ」を路上で見つけたとき、踊らにゃそんそんとその輪の中に入っていって歓喜した。