滞在初日の夕飯は沖縄料理と決めていた。
事前にハレクラニのコンシェルジュに勧めてもらったのが名護にある「ちんぼーら」だった。
ホテルからタクシーで10分ほどの場所、「かねひで喜瀬ビーチパレス」の一階にあった。
とても美味しくかつ席が海に面し雰囲気よく、家族連れにはお誂え向きで実にいい食事となった。
かなり食べたにもかかわらず息子たちは締めに沖縄そばを注文した。
食べる分量が一種のバロメーターとなる。
食べっぷりによって二人の健在ぶりが一目瞭然であった。
大満足で店を出て、しかし、フロントで帰りのタクシーを頼んで驚いた。
一時間待ちだというから全くの想定外だった。
ホテルなのだからタクシーが常駐に近い形で待機しているものと思い込んでいた。
しかしたじろぐことなく、わたしたちは動いた。
息子らはアプリでタクシー探索を開始し、家内はハレクラニに電話した。
事情を話したところ、「帰りの手配」を欠いていたのはハレクラニ側の配慮不足であったとのことで、ホテルの車両を出してくれることになった。
そこまでしてくれるのか。
その至れり尽くせりに家族一同感心する他なかった。
最終日もこれまたコンシェルジュの勧めでキングタコスの本店に立ち寄った。
東シナ海を臨む恩納村を南へ下ること半時間。
金武の町の向こうには太平洋が広がっていた。
地元住民らで賑わう店で食券を買って、そこに混ざってタコスを食べた。
素朴な空気に触れ旅情が増して、だからいっそう美味しく感じられ、印象深い旅の一ページとなった。
迎えに来たタクシーには、わたしたちの寄りたい場所がすべて伝えられていた。
だから話が早くスムーズで、ホテルを出た後までその居心地のいい居住感が引き続いた。
那覇へと運ばれ国際通りを歩き、そして空港。
ホテルのホスピタリティが素晴らしく、全行程が楽で快適な旅路となった。